時の輪廻 第1章 6話 月の光 【時の輪廻】 「お!? 起きたか」 透哉のスマホの明かりが二人の周りだけを照らしている。そこには無造作に、恐らく地震によって崩れたのだろう、書類やファイル、椅子などが散乱している。その部屋の片隅に膝を抱え込むようにして眠っていた絵理が起きた。 「……あ... 2020.08.22 時の輪廻