タカ

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時の輪廻

第4章 18話 懐かしい味 【時の輪廻 】

透哉は博人と吉祥寺の喫茶店にきていた。この喫茶店は木造の作りで、緑を基調とした色に、屋根は赤いペンキで塗られている。絵本の世界から飛び出してきたかのようなメルヘンチックな喫茶店「クルシュ」だ。 店内に入ると、可愛らしい動物や子供のイラストが...
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第4章 17話 真実と沈黙 【時の輪廻 】

自宅へ帰る途中、透哉は葵に電話をした。左手で自転車を押さえながら歩く。夏の夜風が気持ちいい。視線を空の方へ向けると、星が見えた。ベガ、アルタイル、デネブ。他の星と比べると数倍明るく見える星。これらを繋ぐと夏の大三角形になる。「お疲れ! 今大...
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第4章 16話 大切な人はいますか? 【時の輪廻 】

ネットカフェ「快適空間」は吉祥寺駅を降りて北口のサンロード通りに入る手前の雑居ビルの6階にある。 透哉はエレベーターに乗り、「6」のボタンを押した。エレベーターが作動する機械音が鳴る。途中で乗ってくる人もいなかったので、直ぐに6階に着いた。...
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第4章 14話 葵の声 【時の輪廻】

「ちょっと! 聞いてる?」 透哉の耳に甲高い声が届く。 誰かが俺を呼んでいる。 聞き覚えのある声だ。「寝てるの!? 透哉ー!」 透哉はハッとして突っ伏していた頭を起こした。 透哉は辺りを見渡す。アイドルのポスターが壁に貼ってある。誰だか今と...
時の輪廻

第3章 13話 タイムループ 【時の輪廻】

スマホのアラームの音で葵は目が覚めた。単調なリズムで鳴るアラーム音は既に4回目だった。葵は車内に響き渡るその音をそっと止めた。そのまま手提げバッグに閉まった。……夢じゃない 葵はこれが現実の繰り返しなんじゃないかと思った。葵は3回も経験した...
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第3章 12話 確信に変わるとき 【時の輪廻】

スマホのアラームの音で葵は目が覚めた。車内に響き渡るその音を慌てて止めた。しばらくすると新幹線は東京駅のホームに着いた。葵は腕時計を見ると12時ジャストを指していた。 葵は体を前のめりにして、辺りを見渡した。 「新幹線の中……」 通路を挟ん...
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第3章 11話 シンクロニシティ 【時の輪廻】

「いたっ」 葵はハッとして目を開けた。後頭部を座席に思い切りぶつけたようだ。葵は後頭部を押さえた。はぁはぁと荒い息遣いで身体が上下に揺れる。通路を挟んだ座席に座る恰幅のいいおじさんが、葵を見て驚いた表情をしていた。 直後アラーム音が鳴り響い...
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第3章 10話 夢の目覚め 【時の輪廻】

スマホのアラームの音で葵は目が覚めた。 長い間、夢を見ていたのだろうか。 ドアのない真っ白な空間に座り、何年も、何10年も、時間の感覚がなくなるくらい、ただひたすら何かをじっと待っていたような気がした。それが何なのか、何も思い出せなかった。...
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第2章 9話 なんで知ってるの? 【時の輪廻】

吉祥寺駅の中央改札口を出た所に、みどりの窓口がある。 透哉はみどりの窓口の前で退屈そうにスマホをいじっている。 14時を3分ほど過ぎた頃、絵理が透哉の前にあらわれた。 白いTシャツにカーキー色のショートパンツに黒いサンダルというラフな格好だ...
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第2章 8話 夢か現実か 【時の輪廻】

7月14日土曜日、蒸し蒸しする暑さの中、透哉は吉祥寺駅にいた。理由は日付を1日前に戻す必要がある。 退屈なホームルームが終わり校舎を出ると、身に覚えのある女の子がベンチに座っていた。絵理だった。どうやら昨日の件で透哉を待ち伏せていたのだろう...