小説

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時の輪廻

第4章 21話 着信 【時の輪廻 】

当初の予定より10分早く透哉は新宿に着いた。出かける前に、妹の阿依には、毎度の通り図書館にそのまま行くように伝えた。「うるさい」という言葉しか知らないのか、使いたくないのか、透哉が話しかけるとそれしか返さなかった。 全くもって反抗期かよ。 ...
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第4章 20話 3度目の朝 【時の輪廻 】

ブーン、ブーン、と机の上でスマホが振動している。透哉は手探りでスマホを探す。右手に掴んだそれを顔の近くまで持ってきた。虚ろな目で画面を見る。そこには本多将輝の名前が表示されていた。 透哉は通話ボタンを押した。将輝の大きな声が耳まで聞こえてき...
時の輪廻

第4章 19話 月の石 【時の輪廻 】

ドアが開く音が背後から聞こえた。遅れて女性の声が透哉の耳に届いた。「あ、あの! 待ってください」 透哉と博人は後ろを振り返った。「あっ」 透哉は思わず声が出てしまった。女性は小走りで二人に近づいてくる。「あ、あの。すみません。さっき、あなた...
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第3章 12話 確信に変わるとき 【時の輪廻】

スマホのアラームの音で葵は目が覚めた。車内に響き渡るその音を慌てて止めた。しばらくすると新幹線は東京駅のホームに着いた。葵は腕時計を見ると12時ジャストを指していた。 葵は体を前のめりにして、辺りを見渡した。 「新幹線の中……」 通路を挟ん...
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第3章 10話 夢の目覚め 【時の輪廻】

スマホのアラームの音で葵は目が覚めた。 長い間、夢を見ていたのだろうか。 ドアのない真っ白な空間に座り、何年も、何10年も、時間の感覚がなくなるくらい、ただひたすら何かをじっと待っていたような気がした。それが何なのか、何も思い出せなかった。...
時の輪廻

第2章 9話 なんで知ってるの? 【時の輪廻】

吉祥寺駅の中央改札口を出た所に、みどりの窓口がある。 透哉はみどりの窓口の前で退屈そうにスマホをいじっている。 14時を3分ほど過ぎた頃、絵理が透哉の前にあらわれた。 白いTシャツにカーキー色のショートパンツに黒いサンダルというラフな格好だ...
時の輪廻

第2章 8話 夢か現実か 【時の輪廻】

7月14日土曜日、蒸し蒸しする暑さの中、透哉は吉祥寺駅にいた。理由は日付を1日前に戻す必要がある。 退屈なホームルームが終わり校舎を出ると、身に覚えのある女の子がベンチに座っていた。絵理だった。どうやら昨日の件で透哉を待ち伏せていたのだろう...
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第2章 7話 ホームルーム 【時の輪廻】

「神木。神木。神木!」「は、はい!」 透哉は勢いよく立ち上がった。 それを見たクラスメイト達からどっと笑い声が上がる。透哉は周りを見渡した。恥ずかしさのあまり、透哉の顔はみるみる紅潮していった。「神木。あと少しで終わりなんだから集中しろ!」...
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第1章 6話 月の光 【時の輪廻】

「お!? 起きたか」 透哉のスマホの明かりが二人の周りだけを照らしている。そこには無造作に、恐らく地震によって崩れたのだろう、書類やファイル、椅子などが散乱している。その部屋の片隅に膝を抱え込むようにして眠っていた絵理が起きた。「……あぁ。...
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第1章 5話 出会い 【時の輪廻】

男の低い声で透哉は目覚めた。どうやら景と名乗る男によって助けられたようだった。景と地震の状況を確認していると、透哉の首から下がるペンダントに見覚えがあるという。景から津波が来るという情報を得た透哉達は神保町駅へ向かった